企業や商店街と連携してまちづくりと子育て支援を

延岡商工会議所加盟会員インタビュー42
業界奮戦記
延岡市子育て支援協議会会長 木本 宗雄さん(65)
―延岡市子育て支援協議会は、NPO法人として延岡商工会議所会員になった第1号です。入会の動機を教えてください。
木本 これからの子育て支援は、企業が介入してこないと根本的な解決にならないと考えています。1歳ぐらいまで育児休業が取れ、働かずに子供をゆっくり見ることができ、それが一段落したら保育園に子供を預け職場復帰できるような社会を造るのが理想です。
そのためには、企業側のインセンティブになるような税制上の優遇措置などを国や県が設ける必要はありますが、企業がそういう風に変わっていくと、保育園側が今までのように頑張らなくてもよくなるのです。
保育園事業はあくまで対処療法であり、本当はそうした根本から世の中の仕組みが変わっていかないと、少子化の流れは止まらないでしょうし、児童虐待などもなくなりません。1歳ぐらいまでに親子関係を通じてしっかりとした人間関係を築くことが必要です。
1年間ぐらいは仕事を休み、「おやこの森」のような場所に親子で遊びに来る姿が理想です。そのためには企業側ばかりを批判するのではなく、我々が仲間に入ることで、企業や商店街と連携してまちづくりに寄与しながら子育て支援ができればいいなと考え、入会しました。
―「おやこの森」ではどんな事業を展開しているのですか。
木本 平成11年に国の少子化特例交付金の助成を受け、旧旭児童館を改築整備したのが「おやこの森」です。運営は市からの委託事業が中心です。子育て支援センター事業、病後児の保育事業、母親同士をつなぐファミリーサポートセンターのコーディネート費用などでまかなっています。ココレッタ延岡のキッズホームも委託を受けて運営しています。
平成16年に、自主事業で始めたのが保育サポーター事業です。ファミリーサポート事業は普通のお母さんが他人の子供を預かる訳で、保育園の送迎をしたり、2―3時間面倒見てくれたりはしますが、熱のある子とか、深夜とかには預かりません。
これに対して保育サポーターは、保育士や看護師の資格を持つなど専門性があり、深夜におよぶ時や病気の子供がいる時などが出番です。ファミリーサポートのバージョンアップ版です。
「おやこの森」には7、8人の職員と、それを取り巻く35人の保育サポーター、そしてさらにファミリーサポートする援助会員が約40人おり、三重構造になっています。この仕組みがなかなかいいですね。特に保育サポーターについては、その人たちのおかげで運営がなんとか成り立っている側面があり、何とか日が当たるようにしたいと常々考えています。
父子家庭で、父親が出張に行く時にはわざわざ県外の実家まで連れて帰っていた人がいたのですが、サポーターに母子家庭のお母さんがおり出張の間預かることになったら、涙を流して喜んだという話があります。そういう人が結構いるのです。このシステムを制度化するなど、国がもっと支援してくれるといいのですが...。

―今後の展開を教えてください。
木本 これからは集団保育を受け持つ保育園と、在宅の子育て支援で取り組む部分とを分けて考えていかないといけないでしょう。病気の子供、乳児とかは1対1で見るシステムがよく、保育サポーターが保育園の隙間を埋める役目を担っています。
国には保育ママという制度があり、その保育ママ制度や保育サポーター制度をさらに充実させ、何かしらの報酬を与えられるようにならないか。現在の1時間500円の報酬では、病気の子供を預かってもらうことはできません。せめて最低賃金ぐらいの報酬で頼めるようにしないといけません。ボランティアには限界があります。システムとして考え、確立していかないといけません。
また、地域には働いていない親が結構いますが、核家族化して地域とのつながりが薄れる中、そうした人たちは情報を持っていません。「おやこの森」に遊びに来るような人は大丈夫ですが、閉じこもってしまっている人たちを探しだし、その人たちに情報提供する「家庭訪問員」の制度なども充実させたいと考えています。訪問して相談に乗るだけでは駄目な人には、サポーターを派遣するような、そういう仕組みを充実させていきたいですね。
・延岡商工会議所のホームページ

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